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浅井 雅人
Radioisotopes, 67(6), p.291 - 298, 2018/06
超重核の存在限界や安定性は原子核の殻構造に本質的に依存する。理論的には陽子数114126、中性子数172184の領域に球形で安定な二重閉殻構造を持つ超重核の存在が予想されているが、その閉殻の位置や強さは理論によって大きく異なり、確立されているとは言い難い。一方で、最近の実験技術の進歩により超重核の殻構造に関する実験データが少しずつ蓄積されており、半減期や質量などの安定性に関する情報だけでなく、核分光学的手法により超重核の基底状態や励起準位の構造を直接的に明らかにしようとする試みも行われつつある。本稿では、それら超重核の殻構造に関する実験的研究の現状を紹介する。
西中 一朗
化学と工業, 53(5), P. 607, 2000/00
1999年に発表された114,116,118番元素の合成に関する3つの報告を''化学と工業''誌のトピックスとして紹介した。114番元素は、ロシアと米国の共同研究グループにより、ロシア・ドブナ合同原子核研究所においてPu(Ca,3n)114,Pu(Ca,3n)114反応で合成された。114(寿命30秒)は34日間の実験で1事象、114(寿命1.3秒)は32日間で2事象観察され、反応断面積は、それぞれ1pb,2.5pbであった。一方、118番元素は、米国バークレー研究所において、Pb(Ca,n)118反応で合成された。11日間の実験で3事象を観測し、反応断面積は2.2pbであった。また、116番元素116(寿命1.2ミリ秒)は、118(寿命0.2ミリ秒)の壊変系列に発見された。3つの新元素を含む新しい13核種の半減期は、Z=114とN=184の二重閉殻構造を示唆する理論計算と良く一致した。
宇都野 穣
no journal, ,
OやCaでは二重閉殻構造を持つにも関わらず、そこから予測されるよりも著しく低い励起状態が現れることが知られている。一般には、二重閉殻核ではクープマンズの定理から、核子分離エネルギーを用いて殻ギャップエネルギーを見積もることが可能であるが、その値を用いた核構造計算を行うと実験の励起エネルギーを全く再現できないという問題があった。ここで話す我々の研究によって、実はこれら二重閉殻の殻ギャップエネルギーは、相関エネルギーの効果のため、クープマンズの定理で得られる値よりも著しく小さくなっていることがわかった。その正しい殻ギャップエネルギーを用いた殻模型計算をO周辺およびCa周辺核に対して行った。その結果、実験で知られている4粒子4空孔励起を伴う変形状態の励起エネルギーを非常によく説明できることがわかった。